小児の近視抑制治療「マイオピン」
『マイオピン』0.025%の処方も開始しました
2019年の研究(LAMP study)ではアトロピン濃度の検証がされ、高濃度の点眼の方が近視進行抑制効果は高いことが分かり、この研究をもとに2021年に0.025%アトロピン点眼が発売されました。
アトロピン点眼は高濃度であるほど、まぶしさや調節力低下の副作用が出るため、 初めてマイオピン点眼を使う場合は0.01%を処方します。
0.025%のパッケージは水色になります
◆新発売
アトロピン0.025%配合点眼
3,500円(税込)
お子様の近視進行を抑制するための目薬です
当院では、マイオピン(低濃度アトロピン)を1日1回点眼することによって近視の進行を抑制する治療を行っております。この点眼薬は、1%アトロピンを0.01%配合させた点眼薬で、Singapore National Eye Centre(SNEC:シンガポール国立眼科センター)の研究に基づいて開発されたものです。
*このようなお子さまにおすすめです*
- 小学1年生から中学生くらいまで
- 軽度または中等度の近視の方
- 遺伝的に近視が進行しそうな方
- 近視や乱視以外の目の病気がない方
- 目薬に対するアレルギーがない方
*使い方*
- 毎日夜寝る前に1回1滴ずつ点眼します
- 少なくとも2年間の継続使用がすすめられています
- あくまでも近視が進まないようにするのが目的の治療です。
- この治療によって視力が回復するわけではありません。
*ご希望の方へ*
- ご希望の方は、受診時にスタッフへお伝えください。
- 初回、検査、診察を行います。(保険証・医療証もご持参ください)
- 治療開始後1~3ヵ月で検査、診察を受ける必要があります。
- マイオピン処方は自由診療(保険適応外)となります
*マイオピン治療の諸注意*
- 点眼後7~8時間ぐらいまぶしさを感じたり、ぼやけたりすることがあります。 しかし就寝前に点眼することで、この副作用が翌日の生活に問題になることは、ほとんどありません。
- すべての点眼薬が、時として結膜アレルギーを起こすことがあります。 マイオピンも例外ではありません(頻度は稀です)。
■「マイオピン」低濃度アトロピン点眼液について
アトロピン1%は、検査時の調節機能を取り除く際に使用されてきた点眼薬です。数々の調査の結果、近視の進行が抑制されたことが確認されています。
しかし、アトロピン1%は近視進行抑制のメリットのほか、以下のデメリットがあります
- 瞳孔がひらき続けることによる、まぶしさと強い光による不快感や目の痛み
- 目の調節機能(手元を見る作業)が低下し、近くの物がぼやけて見え、読み書き等近くを見る必要がある作業が極めて困難になる
- アレルギー性結膜炎及び皮膚炎
この副作用をもたらし近視予防としての使用ができませんでした。
◇マイオピンの臨床試験◇
上記の表は、濃度の異なるアトロピンを点眼し、近視抑制の効果を2年間、研究を行ったものです。シンガポール国立眼科センター(Singapore National Eye Centre)及びシンガポール眼科研究所(Singapore Eye Research Institute)で実施された臨床試験によると、アトロピン0.01%(マイオピン、英語名:Myopine)はアトロピン1%、0.5%、または0.1%と比較して副作用が極めて低く抑えられており、一方で近視の進行を抑制する効果はあまり変わりません。
臨床試験によるとマイオピン(アトロピン 0.01%)には下記の事実が証明されています。
- アレルギー性結膜炎、皮膚炎を引き起こさないこと
- 眼圧に変化が無いこと
- 白内障を形成しないこと
- 点眼終了後も遠近調整機能が喪失せず、または瞳孔の拡大も一時的であること
- 電気生理学により、網膜の状態は不変であることが確認済みであること
■未承認機器・医薬品に関する注意事項について
- 医薬品医療機械等法上の承認:国内未承認品
- 入手経路:薬監証明取得による医師個人輸入
- 同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品等の有無:有 (ただし1%アトロピン点眼薬となり、効能効果は適応外になります)
- 諸外国における安全性等に係る情報に関して:シンガポールにて下記の報告があります
※ Chia A, Chua WH, Wen L, Fong A, Goon YY, Tan D. Atropine for the treatment of childhood myopia: changes after stopping atropine 0.01%, 0.1% and 0.5%(小児近視治療用アトロピン について、アトロピン0.01%、0.1%、及び0.5%を点眼終了後の変化). Am J Ophthalmol. 2014 Feb(眼科:2014年2月); 157 (2) :451 ‒ 457. e1. doi: 10.1016/j.ajo.2013.09.020
当院の近視進行予防プログラム
子どもの近視は眼軸長が伸びる軸性近視がほとんど
多くが「眼軸長(角膜から網膜までの長さ)伸長」が原因の軸性近視。
軸性近視を防ぐためには、成長期に眼軸長を抑制することです。
また、身長の伸びと眼軸の伸長の時期の相関が考えらます。
当院では近視抑制に特化したプログラム治療を行っております。
お気軽におたずねください。
近視進行抑制プログラム
『あしかクラブ』
お子さまの近視が進まないようにするプログラムです
①低濃度アトロピン点眼薬「マイオピン」使用
➡近視進行抑制効果
②診察、視力検査、眼鏡相談
➡経時的な視力の観察、メガネの相談
③6カ月ごとに眼軸長測定、身長測定
➡眼軸の伸長の把握、成長期の把握
④視能訓練士によるカウンセリング
➡お子さまの近視状態のレクチャー、相談、環境指導など