子どもの近視について
子どもの近視
近視の多くは学童期に発症し、小学校4~5年生にかけて進行が著しく、24~25歳くらいまでで進行が止まることが多い。
子どもの近視は眼軸長が伸びる軸性近視がほとんど
多くが「眼軸長が伸びること」が原因の軸性近視で、その数は増え続けています。 現在、伸びてしまった眼軸長を短くする方法は見つかっていません。 軸性近視を防ぐためには、成長期に眼軸長が伸び過ぎないように意識することが大切です。
子どもは近視が進みやすい
生まれたとき、ほとんどの人は眼球の長さは短いため、強い遠視の状態です。成長とともに眼球が拡大して正視になります。そして一部の人は、そこから眼球がさらに伸びて近視になるのです。近視が一生かけて進行する人もいます。子どもは、体が成長期なので近視が進みやすい側面があります。
◆身長の伸びと近視の進行が、完全に一致はしていないが相関はあるとされている
近視の原因は遺伝と環境です
*両親いずれも近視でない子どもに比べて、両親とも近視の子どもは近視になるリスクが高くなるという結果があります。
*テレビやゲームを近くで見る、携帯やパソコン画面、本を近くで見るなど目が近づきすぎると、その状態でピントが合うように眼球が伸びるため、近視が進みます。
近視にまつわるエピソード
エスキモーの3代(祖父・父・孫)を調査したところ、祖父・父に近視がほとんどなかったが、 学校教育が始まった孫から一気に近視が増えてしまった。子どもの近視対策
1 視力、眼軸長を定期的に検査しましょう
2 近視の進行抑制治療に取り組みましょう
3 近視が進まない生活を送りましょう
目の負担となる読者やゲームなど「近業(目と近い距離で作業する行動)」の時間を減らすことで、眼球が伸びないようにします。
4 適切な眼鏡をかける
以前は、初めての眼鏡など弱めに合わせることが多かったのですが、最近では遠くが良く見えるようにぴったり合わせた方が近視は進みづらいという報告もあります。 また、眼鏡をかけることで近視が進むことがあると思われる方もいらっしゃいますが、適切な度数であれば進行することはありません。網膜にしっかりピントを合わせてみる事が大切です。子どもは成長期なので、1年に1度は矯正視力の検査を行い、自分の顔にフィットした適切なメガネをかけることが大切です。
当院の近視進行抑制治療についてこちら視能訓練士(しのうくんれんし)ORT
斜視や弱視、視野検査など視機能の矯正を専門とする国家視資格者です。
当院では、視能訓練士が在籍しております。
*初めてご来院の方は(予約不要)、受付にて視能訓練士の検査希望とお知らせください。
視能訓練士による検査は次回からになります。
近視が進まないための生活改善リスト
1. 1時間勉強をしたら10分間、目を休ませましょう
近業作業を長時間すると、ピントを合わせる毛様体筋が緊張したままになり、近視が進行しやすくなります。テレビやパソコン、タブレットなどの画面は1時間に10~15分程度の休憩をとって見続けないようにし、適度に目を休めましょう。
2. 正しい姿勢で読書や勉強を
背中をまっすぐに伸ばし、目と本の距離を30センチくらい離しましょう。寝ころんでテレビや読書などの悪い姿勢では、近視が進んだり、左右での視力差が出やすくなると言われています。
3. 部屋の照明は明るすぎたり暗すぎたりしないように
通常、勉強や読書をするのには300ルクス必要です。これは蛍光灯のスタンドでいうと、15~20ワットに相当します。
4. 屋外で過ごす時間を増やしましょう
従来から「屋外で過ごす時間が長いと近視になりにくい」と報告され、太陽光に含まれる紫色の光「バイオレットライト」を浴びると近視の抑制効果があることが発表されています。外あそびには近視の進行抑制に効果的とされる太陽の光、遠くを見ること、運動、ビタミンDがそろっています。