薬の光学異性体

花粉症の季節ですが、眼科なので出すのは点眼薬が主ですが、内服も希望される患者さんもおられます。その中で、かなり昔からありますジルテック内服の光学異性体であるザイザルというのを見つけました。
光学異性体とは何かと言いますと、分子式は全く同じで立体構造が異なる2つの物、ちょうど鏡で写した物のように鏡面像となる2つの化合物ですね。

昔からある、タリビッド点眼薬の成分のうち効果がある方の光学異性体だけにした物が現在も良く使われていますクラビット点眼です。つまり、分子式は全く同じである光学異性体Aと光学異性体Bの両方が入っていても、薬理活性がある・薬として効くのはAだけ、Bの方は大して効果なし。だったら初めっからAだけにしろよと思うかもしれませんが、合成する際にAとB両方出来てしまう、分離する技術は当初はなかったというところなのでしょう。
ジルテックの成分のうち、効果があるAの方の光学異性体だけにした物がザイザルのようです。半分の濃度で済むことになりますので、結果的に眠気という一番の副作用が軽減されるようです。