昨日院内セミナーと称して子供の近視の話しをする機会がありました。ただ近視とメガネの話しだけでは30分持ちそうにありませんので、近視進行の話しも付け加えようと色々調べているうちに、屋外活動の重要性についてかなり興味をそそられる内容がありました。
なぜ近視になるか?近業・いわゆる近くを見ることが近視を促すことはずっと昔から言われていた事で、まあそうだろうなと。それと逆に屋外活動・つまり外で遊ぶ、運動するが近視化を抑制する事は何となく知ってましたが、前者の近業ほど影響はないだろうと思ってました。
ところが、中国系の子供の近視をシンガポールとシドニーで調べたところ、前者29%・後者3.3%で、何と10倍近い差があったとの報告が。同じ人種で両親の近視率に差もなし、人種差と遺伝因子も排除された結果だそうで、驚くべき差だと思います。
この差は一体何か?屋外活動時間がシドニーの方が圧倒的に長かったせいとの結論で、近業である読書時間はむしろシドニーの方がシンガポールより長かったそうです。つまり、読書・勉強もしていいけど、それ以上に空いた時間は積極的に(晴れた)外で遊べば近視になりにくいという事なんでしょう。
あまりに差が有り過ぎますのでにわかには信じ難く、何か別の因子もからんでるのでは?と考えなくもないですが、今後も屋外活動やその他の環境因子が近視抑制に働くメカニズムについて注目してゆきたいと思います。